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BE SMArt. 賢く生きるためのブログ

尿道に鉛筆大の管を刺した話

 こんな話、現実ではできないが、かと言ってこのまま自分の中にしまっておくのも損なほど貴重な経験なので、ここで供養させていただく。

 

私いずやみは、今日の13時頃、鉛筆大の管を尿道に刺された。

 

まず経緯を説明しよう。

笑わないでほしいのだが、私はいわゆる尿もれをよくいつからかはわからないが、詳しく言うと腹圧性尿失禁とかいうやつで、主に椅子に座ったときに数滴(体感だからもっとかもしれない)かならず漏れるのだ。

 

当然そのせいで下着からは尿の匂いが漂うし、最悪他人に臭いと思われる。指摘されたことはないが、自分でも今尿臭いなと感じることはあるので、気づいている人間もいるだろう。

 

そんなわけでこれはどうにかしようと、近所の病院の泌尿器科に行くことになった。

 

これが2週間前。

症状を説明し、さまざまな問診を受けた(オチソチソも触られた)結果、医者からの言葉はこれだった。

「おしっこするときには皮を剥いてして、終わったあとは良くふろうね」

「それでも改善しない場合はまた来てね。尿道に膜があるかもしれないから」

 

どうやら、男性の1万人だか10万人に1人だかで、尿道に膜をもっている人がいて、排尿の際にそこに尿が引っかかって残ってしまう人がいるらしい。処置としては胃カメラを搭載した管を尿道にぶっ刺して、その膜がある場合はそのままその管で破るそうだ。

 

まあそんなことはないだろ、10万人に1人だし。と思いつつその日は帰宅。翌日から言われたとおりに排尿することにした。

 

結果、どうなったか。あまり改善しなかった。少し漏れる量が減ったかな?くらいだった。

 

そんなわけで、「これもしかして膜あるんじゃないか?」という疑念が生じ、膜を破るべく今日泌尿器科に再び行ったわけだ。

 

医者と話をした結果、あることがわかった。それは、麻酔はかけないということだった。

冗談じゃない。尿道に管を刺してやるということは聞いていたので、正直帰りたくなった。しかし、話を聞くだけして帰るというのも嫌なので、「やります」と返事をした。

 

これが悪夢への第一歩だった。

 

器具を消毒しますから、と待たされること20分。いろいろなことを考えた。膜有るといいな。ないとどうしようもないしな。など。

 

そして運命の時間がやってくる。〇〇さん~。呼ばれて一瞬ビクッとなった。

 

おばさん看護師に、普段の診療室とは違う部屋に通された。ベッドに横になってズボンと下着を脱ぎ、手術の準備が終わるのを待機。

 

「これでいいかな?」という医者の独り言が聞こえる。いよいよだと身構えた。今思い返すと、想像が甘かった。

 

オチソチソを医者に触られる。どうやら何かを塗っているらしい。おそらくとおりを良くするためのローションか何かだろう。

 

ふと頭を起こし、医者の手元を見てみると、そこにあったのは……鉛筆の太さくらいある黒い管!

 

おいおいまじかよオーマイガーと嘆いても時既に遅し。

 

そしていよいよ挿入。予防接種の3倍くらいの痛みが、しかも体で一番デリケートなところに突き刺さる。痛い。目を閉じていてよかった。相当グロテスクな光景だっただろう。

 

注射はだいたい最初が痛いだけなので、おそらくこれ以上痛いことはないだろう、と安堵したのもつかの間。もっと大きな痛みが襲いかかる。

 

どうやら、もっと管を奥に差し込もうとしているらしい。おいおいまじかよやめてくれよ。と思ったが口には出さない。男のプライドが光った。

 

尿道をほじくられるような痛み。おそらく相当奥まで行っているのだろう。

 

そして痛みに耐えた結果……私は管と一体化した。どういうことかといえば、管がオチソチソの芯のようになったのだ。オチソチソがまっすぐになったのだ。

 

そしてその直後医者が言ったことを私は一生忘れないだろう。

 

「異常ないですねー」

 

は???????と思った。陣痛並みの激痛を味わってまで検査した結果、異常なし!?

 

ふざけんなよお前さあ。

 

顔が激痛と憤怒で歪む中、どうやら検査は終わったらしく、医者が管を引っこ抜いた。

 

刹那、生暖かい液体が太ももに流れ出た。私はぎょっとした。もしかして血なのではないか。あまりに太い管に愚息が悲鳴を上げてしまったのではないかと。

 

終わりましたよーという看護師の声を横耳に、私は起き上がり太ももに目を向けた。

 

そこにあったのは、尿だった。毎日私が小便器の壁にぶつけていたあの尿だった。

 

どうやら私は、医者と看護師に見守られながら失禁したらしかった。

 

検査が終わり、診療室へ通され、医者はこういった。

 

「おしっこするときには皮を剥いてして、終わったあとは良くふろうね」

 

何も解決していないではないか!恥を忍んで泌尿器科へ行き、鉛筆大の管を尿道に挿入され、激痛を味わい、失禁した見返りが何もないだと!?

 

私の心は怒りで満ちていた。が、私は温厚なので顔に出さなかった。さすがである。

 

そのあと病院のトイレでおしっこしてみた。

 

尿がしみてオチソチソが痛かった。